ブッシュクラフトに憧れて
2022年2月11日(金)、栃木県那須烏山市にある『フォレストパークおいらの森』に2泊3日のソロキャンプに行ってきました。
今年になってブッシュクラフトにご執心のカブライダーです。
ブッシュクラフトが楽しめそうなキャンプ場を探して見つけたのが2021年6月1日にオープンしたばかりのこちらのキャンプ場です。
ライトフォレストとディープフォレストの2種類のキャンプ場があるのですが今回筆者が利用したのはディープフォレストです。
ディープフォレストは大きな木に覆われた深い森の中にあるためブッシュクラフトに必要な木材が豊富ですし直火もOKです。
まさに筆者のような野営の雰囲気を楽しみたい人に適したキャンプ場です。
施設が整っているわけではありません。
風光明媚な絶景が楽しめるわけでもありません。
華やかでおしゃれな感じでもありません。
アニメの舞台になったわけでもありません。
でも筆者はとても気に入りました。
キャンプ場の特徴を踏まえたうえでディープフォレストの魅力と注意点について紹介していきます。
おすすめ設営ポイント
ディープフォレストはなだらかな山の斜面に位置しています。
敷地内の歩道(山道)を歩いてぐるっと一周するとおよそ10分~15分くらいかかります。
基本的に敷地内であればどこでもキャンプが可能です。
設営できそうな場所は歩道に沿って点在していてだいたい10カ所くらいあります。
面積はそれほど広くないので大型のテントやタープは難しそうです。
キャンプ場は奥に進むほど上り勾配がきつくなります。
道中には急な勾配もあるので足元には注意が必要です。
重装備の方や体力に自信のない方は駐車場から近い場所をおすすめします。
駐車場から一番近いのは、仮設トイレの横にある設営ポイントです。
ただし、トイレと駐車場が近いため人通りがあります。
静かに過ごしたい人は人通りが少ない一番奥まった場所がおすすめです。
駐車場から7分くらい歩きますが20kg前後の荷物を持って上り坂を歩くとなると体力的にしんどいです。
ちなみに筆者は20kgのザックを担いで一番奥を目指しましたが歩いて5分くらいで心が折れました。
結局、駐車場から近いひろば付近の場所を選んでキャンプ地としました。
おいらの森 ディープフォレストの魅力
魅力① 野営スタイルを楽しめる
この日は筆者の他にも3、4人のキャンパーさんがいましたがみなさん野営的なキャンプを楽しんでいました。
やはりワイルドな野営スタイルを楽しみたくて訪れる人が多いようです。
野営スタイルとは自然環境の中で生活の知恵や技術を駆使してキャンプを楽しむスタイルのことです。
たとえばナイフや斧を使って木材を加工しキャンプに必要な道具をその場で制作して利用するような楽しみ方です。
テントなどの設営に必要なポールやペグ、日常生活で使う食器などが代表的です。
木材の加工に欠かせないのが刃物ですが筆者が愛用しているものを3つ紹介します。
いずれも使い勝手が良くコスパも優れているのでおすすめです。
ディープフォレストにはブッシュクラフトに必要な枯れ木が豊富に落ちているので野営キャンプには最適です。
ライトフォレストにある管理棟には薪が販売されているのでそちらで木材を購入されてもよいでしょう。
そして直火が可能なのもこちらのキャンプ場の魅力です。
やはり直火の方が野営をやっている雰囲気が出ます。
ディープフォレストは燃え残った炭と灰はすべて持ち帰りなので炭壺などのアイテムが必要になります。
筆者はZEN Campsの火消し袋を愛用しています。
特に軽量コンパクトな積載が求められるライダーの方におすすめの商品です。
豊富な木材を使ってブッシュクラフトを楽しみ直火で焚き付けた炎を眺めながら珈琲を片手に森の空気を味わう。
そんな無骨な野営的キャンプを楽しめる場所がディープフォレストです。
魅力② 日の出から日没まで
ディープフォレストのチェックインは日の出からチェックアウトは日没までです。
最初は冗談かと思いましたが本当です(笑)
一般的なキャンプ場とディープフォレストの1泊2日の滞在時間を比較すると以下になります。
仮に一般キャンプ場のチェックインを13:00、チェックアウトを11:00としディープフォレストのチェックインを日の出(6:30)、チェックアウトを日没(17:30)とした前提です。
チェックイン | チェックアウト | 滞在時間 | |
一般キャンプ場 | 13:00 | 11:00 | 22時間 |
ディープフォレスト | 日の出(6:30) | 日没(17:30) | 35時間 |
同じ1泊2日でもディープフォレストの方が滞在時間は13時間も長いことになります。
だからといって料金が割高なわけではありません。
ディープフォレストの利用料は1人1泊1,000円です。
普通車(5m未満)で訪れたとして駐車料金は2,000円なので合計3,000円です。
関東圏にあるキャンプ場にしてはリーズナブルな方だと思います。
ただし初回利用の際は一度受け付けに立ち寄らなければいけないため受け付けが始まる9時以降のチェックインになるので注意してください。
2回目以降からは受け付けに立ち寄らずに直接ディープフォレストに行くことができるので日の出とともにチェックインが可能です。
おいらの森 ディープフォレストの注意点
注意① 電源や水道はなし
ディープフォレストに電源、売店、自販機はありません。
炊事場はおろか水道もありませんので水の持参が必須です。
筆者はJR大金駅近くのスーパーで2Lのペットボトルを調達しました。
水は余裕を持って少し多めに用意しておくことをおすすめします。
トイレは駐車場の側に和式の仮設トイレがあります。
トイレットペーパーは用意されています。
そして管理人さんは普段ライトフォレストにいるのでディープフォレストにいることは少ないと思います。
そのため万が一事故や怪我などがあってもすぐに現場に駆けつけて対応できるとは限りません。
キャンプ場の敷地内とはいえ自己管理の意識を強く持つことが求められます。
良くも悪くも野営スタイルを楽しむとはこういうことなのだと思います。
ちなみにスマホの電波状況は良好でした。
筆者は楽天モバイルですがインターネットも通話も問題ありませんでした。
注意② キャンプ場は開拓中
おいらの森は昨年6月に本オープンしましたがキャンプ場はまだ開拓中です。
仮設トイレの横には建設中のバイオトイレがあったり道も整地されていない山道があります。
特に雨が降ると未舗装道路はぬかるみやすくスポーツタイプのFR車はスリップする危険があるので注意してください。
しかし未完成とはいえ私は十分にキャンプを楽しむことができました。
むしろ野営という意味では手つかずの自然がそのまま残ってくれていたほうがよいとも思っています。
注意③ 車やバイクがおすすめ
前日に降った雪の影響もあって今回は電車を利用しましたが以下3つの点でアクセスが不便でした。
→1時間に1本くらい
☆最寄り駅から受け付けのあるライトフォレストまでが遠い
→鴻野山駅から徒歩53分。事前予約で送迎車あり(料金1,000円)
☆ライトフォレストとディープフォレストの距離が離れている
→車で10分くらいの距離。徒歩だとキツイ
スーパーやコンビニ、温泉に行くにもキャンプ場からは距離があるので車やバイクで訪れることをおすすめします。
JR大金駅近くにあるスーパーかましんまでは歩いて30分くらいです。
のどかな景色を眺めながらの道中はちょっとしたハイキング気分でした。
帰りの道中は水など購入した食材の重量が負担となりちょっとした修行でした(泣)
まとめ
魅力② 日の出から日没まで
注意① 電源や水道はなし
注意② キャンプ場は開拓中
注意③ 車やバイクがおすすめ
多くの人は便利なキャンプ道具を買い揃え施設の整ったキャンプ場で不自由なくキャンプを楽しみたいと思うかもしれません。
確かにそれも魅力的な楽しみ方なのですがそれとは正反対に”不自由さ”を楽しむというキャンプスタイルもあります。
キャンプ歴の長いベテランであるほどこのようなスタイルを好む方が多いように思います。
電源も水道もない深い森の中で、生活の知恵や技術を生かしてキャンプを楽しめる場所、それがディープフォレストです。
ディープフォレストはそんなワイルドさを求める方におすすめのキャンプ場です。
キャンプには様々な楽しみ方があると今回あらためて実感しました。
つくづくキャンプは奥が深いものです。
(上段左)高い木々に囲まれた森の中
(上段中)梅の木が点在する駐車スペース
(上段右)敷地内にあるひろば。車が入れるのはここまで
(下段左)薪は量り売り
(下段中)JR大金駅近くにあるかましん大金店
(下段右)野営といえば肉。ワイルドに喰らえ!
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