冒頭の内容
『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん ~アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学~』は、2000年から世界中で読まれてきた累計400万部超のベストセラーです。
著者のロバート・キヨサキさんは、アメリカの起業家、投資家、そして教育者として活躍されている方です。
この書籍には、金持ち父さんの教えを受けた著者が、経済的自立を成し遂げていく様子が描かれています。
ファイナンス系書籍にありがちなノウハウが詰め込まれた堅い内容ではありません。
とても読みやすくて筆者は最後まで一気に読めました。
タイトルにある金持ち父さんは、著者の師匠ともいうべき存在の人であり、貧乏父さんは実の父親です。
貧乏父さんは「金への執着は悪の根源だ」と言い、金持ち父さんは「金がないことこそが悪の根源だ」と言います。
貧乏父さんが「一生懸命に勉強しろ。そうすればいい会社に入れるから」と言えば、金持ち父さんは「一生懸命に勉強しろ。そうすればいい会社を買うことができるから」と言います。
貧乏父さんが「お金に関しては安全第一で」と言えば、金持ち父さんは「リスクをとることを学べ」と言います。
まったく正反対の考え方をする2人に対して著者は、お金については金持ち父さんの言うことを聞こうと9歳の時に心に決めたというのです。
これが冒頭の内容です。
金への執着は悪の根源?
筆者はこの冒頭を読んだだけでこの書籍に魅了されました。
なぜなら、貧乏父さんの言うことが子どもの頃に親から言われてきたこととよく似ていたからです。
小学生の頃、母親にお金の素朴な疑問を何度も繰り返し聞いたら「お金のことばかり言うものではありません!」と、きつく叱られたことがあります。
子どもだったので叱られた意味がよく分からず、キョトンとしたことをいまでもよく覚えています。
「金への執着は悪の根源だ」という貧乏父さんと似た考えを、筆者の母親も持っていたのかもしれません。
それ以来、お金について話さなくなりました。
聞けばまた怒られると思うからです。
小学校や中学校でもお金の授業はありませんでした。
筆者はお金の知識が乏しいまま大人になり社会に出てしまいます。
そして40代半ばにして自分がお金のことを何一つ知らないことに気づいて愕然としました。
このことについてもロバート・キヨサキさんは指摘しています。
学校ではお金について教えない
お金に関する教育は、学校ではなく家庭で行われます。たいていの人は親からお金を学ぶとなれば、貧乏な親は、学校に行って一生懸命に勉強しなさいと子どもに言うしかない。子どもはいい成績で学校を卒業するかもしれないが、お金に関する知識は、貧乏な親から教えてもらったものだけだ。
引用元:改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん ~アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学~(筑摩書房)
お金の知識の貧しさは、教育に原因があるとロバート・キヨサキさんは言います。
会社員として働いていた筆者の親が知っていたのは、労働でお金を稼ぐ方法です。
ですから、子どもである筆者にも労働でお金を稼ぐことしか教えられないのです。
言われてみればとてもシンプルです。
今後、投資や事業でお金を稼ぐ親が増えれば、そのあたりの事情も変わってくるかもしれません。
お金の勉強をすることは自分のためだけでなく、その子どもたちの人生を左右しかねないほど重要なこと。
そう考えると、お金の勉強をせずに従来の考えや教えに固執し続けることがいかに罪深いことか理解できます。
ブログは後編に続きます。

著者:ロバート・キヨサキ
コメント