なぜ節約が必要なのか?
ここまでに紹介した資産運用の知識を活用してあなたのお金が増えたとします。
しかし増えた分だけお金を使ってしまったらお金は貯まりません。
これではFIREなんて夢のまた夢です。
書籍『本当の自由を手に入れる お金の大学』(著者:両学長)では経済的自由とは以下の状態が日常的に持続可能であることと述べています。
生活費<資産所得
引用元:本当の自由を手に入れる お金の大学(朝日新聞出版)
資産所得とは投資で得られる所得のことです。
労働で得られる対価ではなく不労所得とも呼ばれています。
資産所得が生活費よりも大きい状態を日常的に保つことができたらお金のために働く必要はなくなります。
つまり資産所得が大きければ大きいほど生活費は小さければ小さいほどFIREに近づけるということです。
節約が必要な理由とはこの生活費を小さくすることにつながるからです。
幸福感を下げない節約
節約という言葉には苦しいとかつらいといったネガティブなイメージを連想させがちです。
たとえばダイエットなどが長続きしないのは痩せたいと思う以上にその行為があなたの幸福感を下げてしまっているからです。
しかしここで紹介する節約の一番のポイントは幸福感を下げることなく無駄な出費を抑えるところにあります。
ダイエットや修行僧のような自分を追い込むやり方ではありません。
筆者もFIREを目指すようになって節約をかなり意識するようになりました。
実践して感じたことは節約は投資でお金を増やすよりも確実ですし難しくないということです。
なぜなら相場は自分でコントロールできませんが節約は本人のやる気次第だからです。
節約はやればやっただけ結果が出るので努力が報われやすいといえます。
そして幸福感を落とさないようにすることで持続させやすくなります。
筆者が資産運用とともに節約を始めてもう数年になります。
今でも節約を持続できているのは幸福感を落とさない節約を実践している影響が大きいです。
3種類の支出を理解する
節約なんてケチくさいことしたくないよ。仕事終わりに居酒屋でお酒を飲むことが僕の生きがいなのにそれも節約しなきゃいけないの?
居酒屋ではなく自宅で缶ビールにすれば節約になりますよ。お酒は3日に1回にするとか。思い切って禁酒してはどうですか?
節約を最優先するならそれも間違いではないですがお酒が好きな人にとっては酷な話です。
節約した結果その人の満足度や幸福度が下がるのであればそれはよい節約とはいえません。
大事なことは生活の満足度を落とさない範囲で支出を減らすということです。
では満足度や幸福感を下げずに節約するためにはどうしたらよいのか?
書籍『FIRE 最強の早期リタイア術』(著者:クリスティー・シェン&ブライス・リャン)の中にそのヒントがあります。
著者は支出には3つの異なる種類があると述べています。
①基礎的な支出
②想定外の費用
③ご褒美
引用元:FIRE 最強の早期リタイア術(ダイヤモンド社)
そして幸福感を下げずに節約するためには①と②の支出を削る必要があるといいます。
①の基礎的な支出とは日々の生活で支払っている費用です。
家賃、光熱費、通信費、保険などの固定費はこれにあたります。
②の想定外の費用負担につながる2つの代表的なものとして自動車と持ち家を挙げています。
2つとも高額な所有物のためどこか一つが壊れただけで倹約して貯めた数ヶ月分の貯蓄が一気に吹っ飛びます。
③のご褒美とはあなたの幸福感を増してくれるたまにある支出です。
①と②で節約したお金の一部を自分へのご褒美にあてることを著者はすすめています。
節約のための4ステップ
書籍『FIRE 最強の早期リタイア術』では節約するための4つのステップが示されています。
それではステップ1から順番に見ていきましょう。
ステップ1:あなたを幸せにしない基礎的な支出を削る
ステップ2:削ると最初は痛みを伴うが次第に慣れていく基礎的な支出を削る
ステップ3:維持費のかかる所有物を減らし想定外の費用を可能な限り削る
ステップ4:自分へのご褒美のための支出を加える
引用元:FIRE 最強の早期リタイア術(ダイヤモンド社)
ステップ1
基礎的な支出とは前述した通り光熱費などの固定費のことです。
サブスクと呼ばれる月額課金制のサービスもこれにあたります。
筆者はまったく利用していなかった毎月400円の映画配信サービスを解約しました。
これで年間4,800円の節約です。
利用していなかったので筆者の幸福感は下がりません。
むしろ無駄使いをなくして幸福感を感じたくらいです。
ステップ2
ステップ2も基礎的な支出を削る点では同じですが少しイメージしづらいかもしれません。
たとえば弁当を買ってくるのではなく自炊する。
職場まで電車ではなく自転車にする。
新品ではなく中古にするといったことです。
最初は抵抗があるかもしれませんが次第に慣れることを期待するものです。
むしろその方が健康に良かったりする場合もあるので一石二鳥ですね。
ステップ3
ステップ1と2で基礎的な支出を削減したら次のステップ3に進みましょう。
ステップ3では前述したとおり車や持ち家といった高額な所有物の支出を削っていきます。
車であれば維持費や車検の費用がかかりますし故障すれば修理代は大きな出費になります。
持ち家であれば維持費はもちろん年数が経てばリフォームが必要になってきます。
車については節約のための車選びのポイント【準備編#9】で紹介していますのでそちらを参考にしてください。
ステップ4
最後に節約したお金の一部を自分へのご褒美にあてます。
何がご褒美かはその人によって異なりますが書籍では次のように表現しています。
お金を最も効率よくドーパミンに変換できる方法を見つける
引用元:FIRE 最強の早期リタイア術(ダイヤモンド社)
ドーパミンとは人間が快楽を感じる際に分泌される脳内伝達物質のことです。
つまりステップ1からステップ3で節約したお金の一部をあなたの趣味に使いましょうということです。
ちなみに筆者は趣味のキャンプが最も効率よくお金をドーパミン(幸福感)に変換できることを見つけました。
あなたなりのご褒美を見つけてみてください。
まとめ
・節約のコツは幸福感を落とさない
・支出の種類を理解しよう
・無理なく節約するための4ステップ
・節約したお金の一部は自分へのご褒美
筆者の経験になりますが節約が大変だったのは最初だけでした。
何が無駄な出費で何が自分にとってのご褒美なのか。
それさえしっかり把握してしまえばむしろ節約が楽しくなってきました。
節約というゲームを楽しんでいる感覚です。
節約がご褒美につながるからこそより節約に力が入るのです。
そんな節約の好循環が確立されればしめたものですね。
著者:クリスティー・シェン&ブライス・リャン
クリスティー・シェン
FIREムーブメントの第一人者。早期退職者。FIREにまつわるサイト「MILLENNIAL REVOLUTION」を運営している。ニューヨークタイムズやカナダ放送協会(CBC)、ハフポスト、CNBC、ビジネス・インサイダー、ヤフーファイナンスなど、様々なメディアで取り上げられている。
ブライス・リャン
早期退職者。クリスティーのパートナー。定期的にクリスティーと海外旅行に出かけるなど、充実した人生を送っている。
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