

なぜ節約が必要なのか?
節約という言葉を聞くと「苦しい」とか「つらい」といったネガティブなイメージを連想するかもしれません。
しかし、これから紹介する節約方法の一番のポイントは幸福感を下げることなく無駄な出費を抑えるところにあります。
ダイエットや修行僧のような自分を追い込むやり方ではありません。
筆者もFIREを目指すようになって節約をかなり意識するようになりました。
書籍『本当の自由を手に入れる お金の大学』(著者:両学長)では経済的自由とは以下の状態のことを指すと述べています。
生活費 < 資産所得(投資で得られる所得)
引用元:本当の自由を手に入れる お金の大学(朝日新聞出版)
これは投資で得られる所得が生活費よりも大きくなったらお金のために働く必要はなくなることを表しています。
つまり資産所得が大きければ大きいほど生活費は小さければ小さいほどFIREに近づけるということです。
節約が必要な理由とはこの生活費を小さくすることにつながるからです。
節約は本人のやる気次第
節約は投資でお金を増やすよりも確実ですし難しくもありません。
なぜなら相場は自分でコントロールできませんが節約は本人のやる気次第だからです。
節約はやればやっただけ結果が出るので努力が報われやすいですし、幸福感を落とさないようにすることで持続させやすくなります。
筆者の場合は節約を始めた時が一番大変でした。
毎月の生活費を項目ごとに紙に全部書き出したりそれらにかかる費用を一つずつ比較検討したり結構な時間を費やした記憶があります。
しかし今は月に一回30分くらいの時間をかけて費用を見直すだけです。
自分の趣味にかける費用まで減らしているわけではありません。
節約を始めて2年近くになりますが、今でも持続できているのは幸福感を落とさない節約方法を実践できているからです。
3種類の支出を理解する

節約なんてケチくさいことしたくないよ。仕事終わりに居酒屋でお酒を飲むことが僕の生きがいなのにそれも節約しなきゃいけないの?

居酒屋ではなく自宅で缶ビールにすれば節約になりますよ。お酒は3日に1回にするとか、いっそのこと禁酒してはどうですか?
節約を最優先するならそれも間違いではないですがお酒が好きな人にとっては酷な話です。
節約した結果その人の満足度や幸福度が下がるのであればそれはよい節約とはいえません。
ここで始めに断っておきますが節約とケチは同義ではありません。
ケチとはむやみに金品を惜しむことです。
ここで意味する節約とは、その人の生活の満足度を落とさない範囲で支出を減らすという意味です。
全てにおいて支出を減らすというわけではないので誤解しないでください。
では、満足度や幸福感を下げずに節約するためにはどうしたらよいのか?
書籍『FIRE 最強の早期リタイア術』(著者:クリスティー・シェン&ブライス・リャン)の中に、そのヒントがあります。
著者は支出には3つの異なる種類があると述べています。
① 基礎的な支出
② ご褒美
③ 想定外の費用
引用元:FIRE 最強の早期リタイア術(ダイヤモンド社)
幸福感に影響を与えない支出は、①基礎的な支出と③想定外の費用の2つであり、節約をするならこの2つの支出を削る必要があるといいます。
基礎的な支出とは日々の生活で支払っている費用です。
家賃、光熱費、通信費、保険などの固定費はこれにあたります。
そして想定外の費用負担につながる2つの代表的なものとして自動車と家を挙げています。
2つとも高額な所有物のためどこか一つが壊れただけで倹約して貯めた数ヶ月分の貯蓄が一気に吹っ飛びます。
ご褒美とはあなたの幸福感を増してくれるたまにある支出です。
基礎的な支出と想定外の費用で節約したお金の一部を自分へのご褒美にあてることを著者はすすめています。
節約するための4ステップ
書籍『FIRE 最強の早期リタイア術』では節約するための4つのステップについても触れています。
ステップ1:あなたを幸せにしない基礎的な支出を削る
ステップ2:削ると最初は痛みを伴うが、次第に慣れていく基礎的な支出を削る
ステップ3:維持費のかかる所有物を減らし、想定外の費用を可能な限り削る
ステップ4:自分へのご褒美のための支出を加える
引用元:FIRE 最強の早期リタイア術(ダイヤモンド社)
まずは毎月の支出を洗い出すところから始めてみましょう。
まったく必要のないお金を払い続けていたことが分かって驚くかもしれません。
筆者は1年くらい前に毎月400円で映画が見放題のサービスを契約したのですが、そのことをすっかり忘れていました。
今では使わなくなったサービスなので無駄なお金をずっと払い続けていたことになります。
すぐに解約したので年間4,800円の節約になりました。
ステップ1とステップ2では基礎的な支出を削りますが、ステップ2は少しイメージしづらいかもしれません。
たとえば弁当を買ってくるのではなく自炊するとか、職場まで電車ではなく自転車にするとか、新品ではなく中古にするといったことです。
最初は抵抗があるかもしれませんが次第に慣れることを期待するものです。
むしろその方が健康に良かったりする場合もあるので一石二鳥ですね。
ステップ3では前述した通り車や家といった高額な所有物の支出を削っていきます。
車については節約のための車選びのポイント【準備編#9】で紹介しています。
最後に節約したお金の一部を自分へのご褒美にあてます。
何がご褒美かはその人によって異なりますが書籍では次のように表現しています。
お金を最も効率よくドーパミンに変換できる方法を見つける
引用元:FIRE 最強の早期リタイア術(ダイヤモンド社)
筆者の場合は自然に囲まれて焚き火を眺めながらお酒を飲むことが最も効率よくお金をドーパミン(幸福感)に変換できることを見つけました。
あなたなりのご褒美を見つけてみてください。
まとめ
・節約を持続させるためには幸福感を落とさないこと
・支出の種類を理解して幸福感に影響を与えない支出を削ろう
・節約の4ステップに則って段階的に無理なく節約を進めよう
・ご褒美は節約したお金の一部をあてるようにしよう
節約が苦しいのは最初だけです。
何が無駄な出費なのか、何が自分にとってのご褒美なのか、それさえしっかり把握してしまえば節約がむしろ楽しくなってきます。
筆者は節約が軌道に乗ったらそれが当たり前の生活になりました。
節約というゲームを楽しんでいる感覚です。
なにより節約したからこそご褒美があると思うと向上心もわいてきます。
「節約なくしてご褒美なし!」
我ながら名言だと思います。
著者:クリスティー・シェン&ブライス・リャン
クリスティー・シェン
FIREムーブメントの第一人者。早期退職者。FIREにまつわるサイト「MILLENNIAL REVOLUTION」を運営している。ニューヨークタイムズやカナダ放送協会(CBC)、ハフポスト、CNBC、ビジネス・インサイダー、ヤフーファイナンスなど、様々なメディアで取り上げられている。
ブライス・リャン
早期退職者。クリスティーのパートナー。定期的にクリスティーと海外旅行に出かけるなど、充実した人生を送っている。
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